耐震改修工事
住まいが安全でなければ、安心して日々の生活も送れません。大地震で簡単に倒壊してはたまりませんね。
**********木造一戸建て住宅の公的な耐震改修工事例(ランダム)**********
最初に「耐震診断」というものを行います。(多くの自治体が簡単なものは無料で行っています。)が・・・。困ったことに、自治体ごとの防災意識や、建物を診断する人の能力に差が大きく、必ずしも適切な診断や有効な改修工事の例が多いとはいえないようです。
まずは、未来空間での公的診断と改修例を、いくつか紹介しましょう。
(耐震診断と改修案の例:右の現状で評点0.7未満で「倒壊する可能性が高い」の診断を、左の評点1.22「一応安全」な建物へ改修します。)
木造住宅の耐震診断・改修には、いくつもの公的な基準があります。(床下:例)(基礎のひび割れ:例)
それらを現状の建物にあてはめ、正確に対処していけるかが、ポイントとなります。
室内の耐力壁(耐震壁)を増設した例:(約20万円程度~:部分)
建物の中で、明らかに弱点となっている箇所に壁を増設する「比較的簡単でオーソドックスな例」です。
壁は基礎+土台・柱・梁と繋がっていなければならないので、床・壁・天井の一部を解体します。これらは内装リフォーム工事のついでに行うと、より効率的といえます。
←場合によって基礎の増設や、引き抜け防止金物(ホールダウン金物)が必要な事もあります。
室内から、新規の鉄筋コンクリート・ベタ基礎を増設した例:(約250万円~:部分)
すでに建っている建物の中での大規模な基礎増設は、自治体の助成金などを得て行う公的耐震改修でも稀な例です。
新築の仕様とは若干異なりますが、公的な参考資料も充実してきた近年、耐震改修の手法として有効な手段です。
家屋内の掘削・砕石転圧を行い、配筋・コンクリート打ちです。内容は、あくまで地盤調査の結果により決めます。
※補足:
震災後、原発事故が収束していないと考えられるため、砕石やコンクリートの「放射線」については、家屋内で使用する
箇所が多い場合、状況に合わせ関係各所から資料を取り寄せかつ、現地でも最低限の測定を行うようにしています。
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外壁の一部をあえて目立たせ、新規の耐力壁(耐震壁)へと変更した例: (約35万円:部分)
地震に抵抗する耐震壁として必要な場所が、外壁の目立つ箇所だった、耐震基準適合判定に沿う公的耐震改修をした例です。
改修工事が外壁で一部の場合、外からあえて目立たせる「デザイン的な壁」にしてしまうのも有効な方法だといえます。
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余震や繰り返し起こる地震にも抵抗し、揺れを軽減する「制震改修」について:(費用=耐震改修の10%増し程度)
耐震改修用で防災協の認定商品として認めらている、制震テープを使用した斬新な改修工法は、木造住宅の耐震改修で 制震構造を安価に実現できる画期的なものと考えられます。
以下の図は少し専門的になりますが、図表のδ(デルタ)は地震時の建物の傾き具合だと考えてください。
この工法は、簡単に言えば粘性材で家ごとダンパー化し、脆性的な破壊を起こす木造住宅に靱性(粘り強さ)をもたせ、
度重なる余震に耐える改修を実現する工法です。(東京大学・防災科学研究所・清水建設の共同開発「超制震」)
自治体の助成金対象工法でもあります。粘性材である制震テープ+3尺×10尺の構造用合板で、面材耐力を確保します。
総2階の場合は、1~2階の耐力壁を連続させると効果的です。