4月 052014
 

「ここの戸建て買いたいんだけど、リフォーム済みだし・・・ちょっと見てくれる?」

こんな相談を、受けることがあります。process_a011

弊社の仕事の中でも、いわゆる「既存(中古)住宅購入前の調査・相談」は、仕事の一部とはいえ目的が大きな買い物ですから、相当に気をつかいます。また、消費税が上がっても一般的な不動産仲介の中古物件は非課税です。今後、相談も増えるでしょうから、注意していきたいものです。

「エリアもいいし、こんなに素敵なキッチンも入っているし、全体的にいい雰囲気だからどうかな?」

こんなお客様の、気に入っているオーラ…が…ビンビン伝わってくると、これまた真剣度が増します。ましてや、建物が今後どのくらい長く使えるか? 耐久性や耐震上に関して重要な部分に「おや? これ大丈夫かな?」なんて疑問を持つような物件の場合 はなおさらです。

弊社は住宅に対して建築側から携わることが多いのですが、不動産の資格や会社は宅建業の免許もありますので、不動産の価値的なものの見方もします。もちろん、相談を受けた物件を担当されている不動産屋さんの仲介などに、迷惑が掛るような事は礼儀として、決して行わないのですが・・・。
残念ながら「リフォーム済み」という表記で売られている物件で、建築的にみて、耐久性や耐震性など住宅の性能を落とすようなリフォームがしてある物件に出くわします。

中古物件を購入する場合、ここが大変に重要なポイントです。

購入予定の中古住宅に、末永く、安心して住みたいと考えるなら、居住エリアや金額も大切ですが、建物の見た目だけでなく築年数や構造、地盤から建物の履歴(今までに雨漏れなどないか? リフォームをしたか? など)程度は把握するよう意識していくことをお勧めします。
まあ、弊社のインスペクションを利用されるのも手です。 「選べるコースと費用について(C:相談のみコース)」
process_a005
なぜなら、前もって知識のあるお客様であれば、こちらが「キッチンは素敵ですが、そのキッチンを入れるために、大切な柱や壁を抜いているようです。それは留意ください」と、疑問点に気がつき説明すれば、購入後に壁の補強工事が必要になる可能性に、気がついていただけるでしょう。

リフォーム済み物件で良いのは見た目だけで、見えない部分や構造体まで考慮する場合は少ないとお考えください

これはリノベーション済み物件も、工事内容を示す資料(設備配管や劣化部位の更新についての工事中の写真、各種設計図書など)が不足している場合は、前述と同じレベルとお考えください。

戸建ては、リノベーションという表現された物件自体、少ないかも知れませんが、マンションの場合は「スケ ルトンからリノベーションしました!」という物件の下階に、購入後して住み始め数日で水漏れを起こした・・・なんていう笑えな い話も実際にあります。

いずれにしても肝心なのは「質」だと思います。工事の質だけでなく、中古物件自体の質、建築・不動産会社の質。または、購入しようとしているお客様自身の質かもしれません。住宅を手に入れるというのは、業者でもない限り通常、一生にそれほど何度もあることでは無いと思います。その機会に何を重視し、何を意識するのか? これらは価格と同じくらい、前もって心したい大切なことだと思います。

直近では先日も書きましたが、国をあげて中古住宅の「長期優良住宅化」を進めています。概略は・・・

目的:住宅の性能を向上させるリフォーム(省エネ改修、耐震改修など)

内容:
1)一定の要件を満たす既存住宅のインスペクションを実施するものであること。
2)定められた範囲に関する性能を向上させるリフォーム工事であり、工事後に一定の水準を満たすもの。
3)リフォーム履歴及び維持保全計画を作成すること。

でした。これに国費から助成する・・・という考えは、景気・経済対策もあるのは当然でしょうが、やはり「今までのリフォーム市場に対する見直し」も、根底にあるのだと思います。

3月 262014
 

4月から消費税が8%にアップしますが、住宅のリフォームには朗報が!

既存(中古)住宅の改修をお考えの方に国土交通省「長期優良住宅化推進事業」のご紹介です。

概要:「長期優良住宅化リフォーム工事」に要する費用を、国が補助する事業が始まりました。
平成26年度当初予算(国費:優先課題推進枠)詳細はこれから!

対象:既存住宅(原則として、築年数などの条件はない・・・※新築住宅は不可)

補助率・限度額:該当リフォーム費用の三分の一を限度に、一戸あたり100万円(最大200万円)

目的:既存住宅ストックの質の向上及び流通促進に向けた市場環境を図る

むむむ・・・これは「今ある住宅をより良く、長持ちさせられる価値ある資産にしましょう。」
そんな感じが国の考えから推進されてきた。そんな感じでしょうか。

耐震や劣化対策、断熱、性能の向上を図るリフォームいろいろ・・・
要するに、住宅の長寿命化に必要な工事費などが補助されるようです。

住宅の性能を向上させるリフォーム(省エネ改修、耐震改修など)を推進することにより、限りある資源の有効活用及び環境負荷を削減。 しいては社会全体の負担を減らしながら、産業の発展を両立させる事が国益につながるとの考え。

内容:簡単に要約しますと以下の3点となります。

1)一定の要件を満たす既存住宅のインスペクションを実施するものであること。
※ インスペクション(inspection)とは建物を検査・調査・診断することです。
2) 基準クリアが必須のものを含め、性能を向上させるリフォーム工事であり、工事後に一定の水準を満たすもの
3)リフォーム履歴及び維持保全計画を作成すること。

弊社としては、今まで普通にやってきたことがほとんどですが・・・
(裏を返せば、望ましいリフォームの形を示したともいえる)
世間では「リノベーション」という人も増えてますが、リフォーム。王道の表現です。

申請について:
申請は「事業提案」という形式をとり、発注者又はリフォーム工事の施工者が行うものとされ、施工業者のグループ提案も可能です。また、インスペクション(リフォーム前の住宅調査)が必要であり、この調査は該当規模の住宅を設計できる「建築士が行うこと」とされています。
参照:国土交通省のサイト→  http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000496.html

なんだか、ややこしい??  いやいや、そんなことありませんよ。

実は…消費税アップ後が、リフォームのチャンスだった??
住まいの性能を向上させるリフォームをして、国から100万円もらう方法、検討しましょう!

そこで弊社として、これらの内容も含めた「勉強会」を開く事を決定しました!
ご興味ある方、とりあえずメールフォームから、お問い合わせをください!
-------------------------------------------------
*** 住宅リフォームで得になる勉強会のお知らせ ***

参加費無料:「第1回 中古住宅リフォーム推進会議」開催!!

日時: 4月22日(火曜日) 午後3時30分~5時
場所:四谷地域センター (新宿区内藤町87番地 四谷区民センター11F 集会室3 )
お問合せ:未来空間 株式会社

メールでのお問い合わせはこちらから。
5月 142013
 

私たちは「地盤」について考えます。
地盤・・・よく耳にする言葉です。地面の下で建物を支える、まさに盤石であるべき存在です。

tyuuetu2004

しかし、東日本大震災の際には東京湾岸で 有名な、浦安のテーマパーク近くの高級住宅地辺りの地面が液状化し、家屋が傾いたというニュースが大々的に報じられました。その際「砂上の楼閣」という表現を耳にしましたが、実は専門的な分類で「砂質地盤」であったのは事実です。

ただ、液状化現象というのは複雑で、傾く理由が砂質地盤と直結している訳でもありません。

 

そんな中、明治時代の古地図や地盤についての図面などが、注目されているとも聞きました。 こちらは以前から、大地震の際に必ず問題視されていましたので、興味を持つのは当然の流れだと思います。 そこで、ちょっと古い地図を見てみましょう。

youtube_samnale_tamura001

(財)日本地図センター 地図で見る東京の変遷Ⅰ(明治30年頃) (株)建築知識 地震に強い「木造住宅」の設計マニュアル  より抜粋・共に絶版

100年以上前、明治30年頃の東京西北部・現在の中野駅近辺の地形図です。 (わかりやすいように水田が緑色に着色されています。) 中央左に中野駅を示してありますが、これは当時「甲武鉄道」と呼ばれていた現在のJR中央線上にあります。中野停車場というレトロな文字が見 えます。
その下方(南側)が現在も同じ「青梅街道」で、周辺に「中野村、本郷村」の文字が見えます。駅北側には「上高田村、新井村」も見え ます。村だったんですね・・・ そして少し分かりにくいですが、白い部分の表記の多くが、畑・茶畑・桑畑なのです。

これらを昭和期から活用されている、土地条件図等と重ね合せ て見てみますと、見事に合致します。

「土地条件図」はハザードマップの参考になったり、現在の地盤を知る上で参考にされているものですが、100年 以上も前の地図から脈々と受け継がれた状況が理解できます。
河川を中心に水田(緑色)が広がり、その辺りの地盤は比較的軟弱とされています。逆に畑の中心辺りは、現在も比較的安定した地盤の部類に分 かれています。それぞれの地盤に合せた、建築やメンテナンスが考慮されて良いかと思います。

東京都中野区周辺にお住まいの方々は、現在の我が家がこの地図からど の辺に当たるのか、参考になるでしょうか?
今日は大雑把な話でしたが、足元の大切な話でした。
「地盤から考えた住いの相談」・・・ 一度、私たちに相談されると、良いヒントが見つかるかと思います。